もしも貴方がお金持ちで、SMを美術品として購入したいと思っておられるなら、是非お買いなさい。
貴方はそんなに距離を乗らないでしょうし、数少ない専門ショップが貴方を幸せにしてくれるでしょう。
貴方がそれ程お金持ちでなくて、しかも右手と左手の区別もつかなくて、それでも頻繁にSMを乗り回したい
と思っておられるなら、直ちにやめた方が良いでしょう。トヨタかホンダをお奨めします。
貴方がそれ程お金持ちでなくて、しかも右手と左手の区別もつかなくて、それでも時々はSMに乗ってみたい
と思っておられるなら、このガイドを分譲住宅の契約書と同じくらい真剣に読んで下さい。そして出来るだけ
程度の良いSMを購入して下さい。
貴方がお金持ちでも貧乏でも、指の爪がいつもグリースで真っ黒になっているなら、どうぞお買いなさい。
しかし一応はこのガイドを読んで下さい。
(以上Clemens Maas氏のCitroen SM Purchase Adviceより引用)
SMは一般に信じられている程、壊れ易い車ではありません。しかし、一定レベル以上のメンテナンスを
必要とすることは確かです。残念ながらどんなガレージでも正しく保守できる訳ではありません。シトロエン
自身、SMを売り始めた頃、販売店への教育が十分行き渡っていなかった為に、いろんなトラブルが起きて
それがSMは壊れ易いという評判に繋がっていった、という事実があります。
特に留意すべき点をいくつか挙げておきます。
エンジン:
セカンダリー・タイミング・チェーンは2万km毎に張りを調整する必要があります。又、6万km毎の交換が
望ましいと言われています。幸いこの作業はエンジンを降ろさずに行うことが可能です。チェーンの調整
交換時期を確認して下さい。
エクゾースト・バルブは軽量化の為、中空でナトリウムが封入されています。長期間エンジンを回さずに
いると錆びて折れ易くなります。もし2年以上回していないエンジンであれば、バルブを取り替えるべき
でしょう。
ギアボックス:
DS譲りのマニュアル・ミッションは、2速と5速のシンクロが弱い以外は丈夫です。しかし、唸り音が聞こえ
ないか良く確かめて下さい。
冷却系:
ゴムホースの劣化に注意して下さい。特にオイル・クーラーとエンジン間のホースは、ステンレス・メッシュ
に換えた方が賢明です。
ボディと内装:
ボディーパーツは、段々手に入り難くなっています。細かいトリム類が欠けていないか、シートのアジャスト
機構は異常ないかなど、良く確かめて下さい。下回り、ボディーの錆にも十分注意して下さい。リアの
スカートの内部の錆は修理が困難です。エンジン・フードはアルミ製、バンパーはステンレスです。
その他:
有鉛ガソリンが姿を消して久しいのですが、SMのバルブ・シートは無鉛ガソリンでも心配ないといわれて
います。しかし、欧州ではカリウム系の添加剤を使用しているオーナーが多いようです。
尚、本国仕様の角型6灯の部品は中古以外は入手不可能です。
オリジナルのタイヤXWXは注文生産で入手可能ですが、一本5万円程度します。