2号車の改善プロジェクト
1972年製造、ディーラー(関西日仏自動車)車、初登録1973年
2月。1974年以来のオーナーから、2001年5月に譲り受け、私が3人目のオーナーとなった。現在走行13万3千km。
内装の改善
この車の内装は、元は茶色の革張りですが、傷んだ為に前オー
ナーは、スペアカーの黒革の内装と入れ替えてありました。
しかし、その黒の内装もかなり傷んでいたので、前後シートを
茶の新しい革に張り替えることにしました。ドアの内張りは左程
傷んでいないのでオリジナルの茶色の内張りに戻しました。
シートは、米国の
WESTERN HEMISPHEREからキットを取り寄せ
近所の内装屋さんに持ち込みました。キットは、革を裁断、成型
してあり、フレームに被せて縫い合わせるだけの状態に作って
あります。前席は順調に仕上がり、後席の作業にかかったので
すが、何と寸法が小さくて、どうしてもフレームに被せられないの
です。已む無く、出来上がったばかりの前席の後ろの革を剥がし
後席に継ぎ足し、前席の剥がしたところは国産の合成皮革で
似た色のものを探してもらって、何とか前後とも仕上げることが
出来ました。
WESTERN HEMISPHEREでは革をタイか中国辺りで
加工させているらしく、この様な不具合が発生したようです。
ともあれ、新品の革シートは気持ちの良いものです。
ついでに、フロアカーペットも
GRIOT'Sで特注して作ってもらい
ました。型紙を送ると2週間位で出来上がって来ます。
外装の改善
SMが製造されていた1970年代、フランス車は助手席側にはドア
ミラーが装着されていませんでした。日本へ輸入されたSMにも
当然、右側にはミラーが無く、車検を通すために右ドアのAピラー
にネジ止めするタイプのものがディーラーで用意されていました。
しかし、左右対称という訳には行かず、オーナーの中には折角の
オリジナルデザインを犠牲にして、左右ともDSタイプのミラーに
取り替えた方も居られました。しかし、今日ではオリジナルと同じ
デザインの右側ミラーが
Andrew Brodie他から入手できるように
なりました。私の車にもこれを取り付けました。SMのドアミラーは
新車発表時のモデルはシルバーでしたが、その後の生産車は、ボディーと同色に塗られています。しかし、
この車の場合、前オーナーの話では最初からシルバーに塗られていたというのです。そこで、その言葉を
尊重してシルバーに塗ってみました。
メカニズムの改善
(その1)Jaegerイグニッションシステム
SMのエンジンは、マセラティ・インディ用のV8の2気筒を切り落とし、
且つボア、ストロークを縮めた90度V6で、その為、45゜/75゜の不等
点火間隔になっています。オリジナルの点火装置は、2段カセット式
ディストリビューターと、2本のコイルを用いていますが、ドイツ人の
Manfred Jaeger氏は、1本のコイルで6気筒を賄う電子式のイグニッ
ションシステムを開発しました。手持ちのディストリビューターを送付
しますと、約1ヶ月後に、改造した上で、コイル(ボッシュ製)、フルトラ
システムと共に返送してくれます。右の写真はJaegerイグニッション
装着後の2号車です。コイルが1本しか無いのが分るでしょうか?
装着した効果は目覚しいものがあり、始動性、加速性能、燃費とも
格段に向上したという実感があります。
Jaegerイグニッションシステムの詳細はこちらをご覧下さい
↓
http://www.zuendidee.de
(その2)オイルクーラーホース
SMは、ラジエター左端に置かれたオイルクーラーと、エンジン
後部との間を2m以上のホースが往復しています。このホース
は、経年劣化の為、破断すると一瞬にしてオイルを喪失します
し、又、内部がボロボロになって、オイルポンプを壊したり、
エンジン自体にもいたずらをしたり、種々トラブルの原因となり
ます。そこで、このホースをステンレス・メッシュの配管に取替
えました。
(その3)テールパイプ
左の写真はオークションで入手した、左右2本出しのテール
パイプです。音質はオリジナルと余り変化ありませんが、心持ち
抜けが良くなったような気がします。
(その4)ヘッドライトの6灯化 Andrew Brodieより中古のパーツを取り寄せ、フロントメンバーの塗装、ランプ類の
メッキをやり直して組み上げた。エンジン積替え時に6灯化も合わせて作業して貰うことにしてあります。
(その5)マフラーの取替え
SMのマフラーは、エグゾースト・マニフォールドに繋がる縦置きのエクスパンション・チャンバーとその後に横置き
されるエグゾースト・チャンバーから成っていますが、2002年の車検の際、漏れがひどかったのでステンレス製の
新品に交換しました。これで10年は持つでしょう。
(その6)パワーウィンドウモーターの改善
SMのパワーウィンドウは作動速度が緩慢な上に、モーター軸上のウォームギアと噛合うピニオンギアがプラス
チックの為、割れて作動しなくなる事がままあります。メーカーもそれを見越してか、いざと言う時にはパワー
ウィンドウを手動で動かす為のツールを標準装備してありました。又、現在ではアルミ或いはブラス製のピニオン
ギアが入手可能なので、取替えておくべきです。さて、先日助手席側のパワーウィンドウが作動しなくなり、
最初ピニオンを疑ったのですが、ピニオン自体は健全で、どうやらモーター本体が経年劣化で力不足に陥った
ようです。主治医のTさんは、BX用のパワーウィンドウモーターと、17mmのソケットレンチを加工して見事に
SMのパワーウィンドウを復活させて呉れました。正に匠の技です。
右側が元々駆動装置に使われているプラスチックの
ピニオン。モーターシャフトはウォームの軸上に接続
される。ピニオンをアルミ製(左側の白い方)に取替えたが、作動不良は改善されず。
そこで主治医はモーター本体をBX用の物と取り替える
事に。モーターの回転を直接駆動装置に伝達するのに
17mmのソケットがぴったりと判明、ソケットの片側を
歯車に加工しているところ。
材料一式。BXのモーターとSMの駆動部分を薄い鉄板
で組み付け、モーターのギアと駆動部分を加工した
ソケットで接続する。
完成したパワーウィンドウモーター。