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医療ジャーナリスト 大竹奉一 美容外科名医101人 クリニックから大学・総合病院まで、全リスト無料公開
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美容外科 名医リスト

対談 
美容外科の現状と展望

今こそ必要な、
若くて腕のいい美容外科医を養成する、
システム作り
<大学病院と、しっかりした美容外科医とが協力して>
矢野健二先生
<大阪大学大学院医学研究科美容医療寄附講座教授>
 中西雄二先生
<ヴェリテクリニック総院長、大阪院院長
藤田保健衛生大学形成外科客員准教授>

 美容内科・美容皮膚科などの参入で、美容医療の世界は大きく様変わりしてきました。これまで美容医療の中心となってきた美容外科も、大きな変革を求められています。今年4月、大阪大学医学部形成外科に美容医療学講座を作られた矢野先生、美容外科の最前線で活躍しておられる中西先生にお話いただきました。

トラブルに巻き込まれた患者さんに
適切なアドバイスと指導を

――まず矢野先生に、大阪大学医学部形成外科で4月から美容医療学講座を設置された動機・目的についてお話いただけますか。
矢野 美容医療はまだ歴史が浅く、絶対的な治療手技、医療内容が確立されていなくて、「これが正解」「この治療手技でやりなさい」という指標がありません。それぞれの医師個人の判断によって行なわれているのが現状です。そのために医師であれば誰でも参入しやすいので、安直にいろいろの科の医師が、美容外科についてほとんどトレーニングも受けないで「ここは儲かる」と思って参入することがあります。しかし実は奥は深く、簡単にできるわけではありません。
 その結果、手術そのものはうまく行っても、患者さんが満足されないなどといった不満から、傷跡が拘縮を起こしている、目が閉じない開かない、注入物を注射して腫れあがって感染を起こしているなど深刻な機能的障害まで、さまざまなトラブルがおこっています。
 このような方が、非常に困って、これまでにも大阪大学医学部形成外科の外来に来られて、ご相談を受けていました。今回本格的にこの問題に取り組んで、美容外科手術などの美容医療を受けてトラブルを抱えておられる患者さんに少しでも救済策をアドバイスしたいと、美容医療学講座を設置したのです。
 それだけでなく、美容医療の広告のあり方、料金体系、医師の研修体制を考え、また実態調査などをして、美容医療をきちんとしたサイエンスに基づいた医療にするには今後どのようにしていったらいいのかを提言していくことがもう一つの私達の目的です。
――美容外科の手術そのものはされないのですか。
矢野 患者さんに機能的な障害などが残った場合には保険診療が適用できますので、大学病院で治療します。しかし、手術そのものはうまく行っても、患者さんが希望していた結果になっていない場合などは、もう一度美容外科手術をすることになります。保険適用にならない場合は、大学ではできませんので、「こういうふうに治したらいいですよ」「こういう先生がいいですよ」「きちんとした施設はここですよ」と、適切なアドバイスをして、中西先生のヴェリテクリニックなどしっかりした技術を持っている、外部の医療機関をお教えしています。

デザイン中心でなく、構造・機能を重視した、手術・修正を。
もう「二つの美容外科学会」の時代ではない

――中西先生のヴェリテクリニックでは、修正手術が多いとお聞きしていますが。
中西 東京・名古屋のヴェリテクリニックの全体を総括するとともに、大阪院長として2年半くらい経ちます。私は輪郭の手術などを得意としていますが、実際の手術の半分くらいは、他の美容外科医院で希望通りの手術をしてもらえなかった患者さんの修正手術です。 
 どうしてそんなに修正手術が多いかというと、形成外科の専門医の資格を持っていて美容外科をやっている医師が非常に少ないからです。5000人近い美容外科医がいますが、形成外科で基礎的なことを学び、その上に美容外科の研修を受けている美容外科医は100人程度でしょう。解剖学的な常識がない医師が見よう見まねで手術をしていますから、たとえ表面的にはうまくできているように見える場合でも、内部構造が不適格になっています。それをきちんとして、患者さんの希望に合うように再手術するのが、私の修正手術です。デザイン重視でなく構造・機能重視です。
――解剖学的な常識がなくて、トラブルを起こしやすい医師も含めた研修システムなどは作ることはできないのですか。
中西 十年ほど前までは、形成外科で研修を受けた医師による美容外科学会と、形成外科以外の医師による美容外科学会の2つの美容外科学会があって、それを一つにして研修体制を作ろうとしましたが、いろいろの壁があって未だに実現していません。
 最近は、美容外科のほかに、美容内科、美容皮膚科が美容医療に参入し、さらに医院のサービスとして待合室に美顔器などを設置しておいてフォトフェイシャルなどをする一般クリニックも増え、またエステに美容外科医が時々来て美容医療をする例もふえてきました。
――「二つの美容外科学会をいっしょに」と言う時代ではなくなってきたのですね。
中西 そうです。これから私たちは、まず「自分達ががんばっていい手術をすること」、次に「研修を受けない医師に傷をつけられてしまった人を修正すること」、そして最後にこれがもっとも大切なのですが、「大学病院と、しっかりした美容外科医とが協力して、若くて腕のいい美容外科医を養成するシステム作りをしなければならない」と考えています。

大学の形成外科と、しっかりした美容外科がスクラムを組めば
美容外科の未来は明るい

――研修システムの確立は、具体的にどのような方法を考えておられますか。
矢野 モデルケースとして北海道大学形成外科と、北海道大学医学部形成外科出身の新富芳尚先生の美容外科クリニック「蘇春堂形成外科」との提携があります。北海道大学形成外科教授の山本先生も、「形成外科の教授たるもの美容外科もできないとだめだ」とそこで美容外科の研修を受けておられます。
中西 大阪でも、大学の医局にいる形成外科の医師が、美容外科の指導医・認定医のいるしっかりした美容外科医院に研修に行ってしっかりした技術をマスターするシステムを作っていく必要があります。
 大学の形成外科の医師を受け入れる立場として、ヴェリテクリニックの大阪院の私としては、いつでも協力できる体制があります。すでに東京のヴェリテクリニックでは慶応の准教授の中嶋英雄先生をはじめ、外国人医師も研修に来られて、フランクな雰囲気の中で研修が進んでいます。大学の形成外科と、しっかりした美容外科医院が組んで、決った医師が週に一回でも美容外科を研修すれば、2年、3年で、美容外科のレベルはぐんと上がっていくのではないかを期待しています。
矢野
 アメリカの調査報告で、1992年当時は再建外科が7割、美容外科が3割、10年後の2002年には再建外科が4割、美容外科が6割と、美容外科の方が多くなっています。日本でも今後さらに美容医療は増えてくると予想されます。
 また私は、乳がん切除後の乳房再建を乳腺外科の医師とタイアップしてやっていますが、将来は乳腺外科の医師が乳房再建もするようになるでしょう。耳鼻科で頭頸部のがんを取った後の修復も同じです。形成外科医に最後に残るのは、傷跡治しと美容外科になります。将来的には美容外科は形成外科医にとっては必須の手技です。
 それらを総合的に考えると、大阪大学医学部形成外科でも美容外科の研修システムを早急に作る必要があると考えています。大学病院としっかりタイアップしたサテライト病院、中西先生のヴェリテクリニックのようなしっかりした指導医がいるようなところで、美容の研修をする、そこでしっかり1〜2年研修をして認定医になり、自分で開業するなりどこかの病院で働くなりというようなシステムが必要です。
中西 現在は、形成外科の専門医をとるのに、6年から7年かかって、その後で美容外科の研修を受けていますが、これでは若い医師がいい美容外科医になるには時間がかかりすぎるような気がします。形成外科医が医局に居る間にきちんとした美容外科で、ある程度長期間の研修を受けて、また医局に戻るというシステム作りが必要だと思います。大学の医局が積極的に動いていただければ、教育システムは大きく進展します。
矢野 医師不足の問題などがあり、定期的に美容外科の研修を受けてもらうにはさまざまな壁がありますが、その壁を克服していくとともに、まず私自身が中西先生の医院で美容外科の研修をしっかり受けるところからスタートすべきではないかと感じています。
中西 ヴェリテクリニックは、「大森系」とよばれる、形成外科で研修を受けた医師による「日本美容外科学会」専門医と、「日本形成外科学会」専門医の両方の資格を持っている医師3名が在籍する、日本で数少ない指導医中心の美容外科です。
 内科・外科をはじめとする、一般の医師の先生方、歯科医の先生方のご協力を得て、大阪の、また日本の美容外科の、正常化、発展のためにがんばっています。
――ありがとうございました。

矢野健二先生略歴
昭和59年高知医科大学医学部卒業。香川医科大学助手、国立呉病院形成外科医長などを経て平成12年7月から大阪大学助手。同助教授を経て、平成17年より同病院教授、平成19年より美容医療学寄付講座教授。
乳癌術後の乳房再建手術を専門としこの分野での日本〜世界の最高峰。

中西雄二先生略歴
昭和58年藤田保健衛生大学医学部卒業。トヨタ記念病院形成外科医長 、藤田保健衛生大学形成外科講師、慶應義塾大学助教授(伊勢慶應病院形成外科)、第一なるみ病院形成外科部長などを経て、平成16年ヴェリテクリニック総医院長に就任(現在 藤田保健衛生大学形成外科客員准教授)


 

 

 

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