南下を続ける我々の行く手を阻むかのように出現したのは、広大な河だった。
ゆるやかなカーブ、幾何学的な河岸の形状は、それが運河であることを示していた。
調査に当たった潜水艇のクルーから驚くべき報告があった。海に近い河の中にいくつもの
巨大なタービン・ブレードの残骸を発見したというのだ。
当初、海水の干満による潮流を利用した発電装置と思われたが、それはすぐに否定された。
なぜなら、ゼトロスには『月』がないため、潮の干満は存在しないからだ。
この時点で我々には、そのプロペラが何のために使われたのか思いも及ばなかった。
|
ここで潜水艇クルーが発見した生物の一つは、エイに似ているが、
尾の付け根に二重のスクリューを持っていた。
この二重反転スクリューは、回転トルクを打ち消すとともに、
効率のよい水流を発生させるすぐれた機構だ。
はたして、この生物はそれを知って進化したのだろうか
|