3番テーブルの客



       ご存知??三谷幸喜の脚本を、いろんな監督が競作した古い深夜番組です。
       同じセリフが表情、カメラワーク、相手の反応で意味が違ってしまったり、
       もっと大胆な改変で違う話になってしまったり。
       もちろんキャスティングもそれぞれ違います・・・が岡田真澄氏など、同じ役で
       何度も登場の場合もあって、同じ役者の同じ役を比べるという面白さも。
       もっとこういう試み、見てみたいです。

       お目当ては最終回、西村雅彦&黒木瞳の回だったのですが。さて・・・・。


      主人公が働く飲食店に、元妻が現れる。
      つい自分も客のフリをしてしまった主人公、
      オーダーをこなしつつウソをつき通せるか?


*#2*  
A 岩本仁志カントク( 阿南健治 水島かおり)
B 片岡Kカントク(田口トモロヲ 鈴木保奈美)
  一回の放映で各30分のA・B2本放映でした。
うっかり2回目から見てしまいましたよ。
以下も、あくまで私の見た順で書いてます。


A:岩本カントクの描く世界はオーソドックスで、
どこにでもある県庁所在地ホール横喫茶店な感じ。(とか言ってたら、ロケ地が地元の県庁横ホールだったわ。本当に見たことあったのね ^^;;;)
対する?Bでは、店のつくりも店員の制服もまともじゃなく宇宙船。
なんだこの店。

というふうに、見た目からガラッと変わってしまうわけですね。
この二つが全体に大してどの位の位置なのか
もっと変な店が出てくるのか、楽しみですよ。

意外だったのは、小さな台詞は結構違うこと。
最近どうしてるの?と聞かれた、歌手だった元妻が
Aでは「もう全然唄ってない」と答え、
Bでは笑うだけで返事をしない。   
三谷ドラマにウソつきは必須(?)ですが、この2つのウソ全然方向ちがうじゃないですか。こんなところいじっていいんだ?と思いませんか??

実は元妻は、向かいのホールで今夜コンサートを開く”ビビ萩原”その人で、元夫がスタッフだなんてウソはバレてるわけです。
しかもウェイターとしての仕事も、ばれないように(ばれてるけど ^^;;;)
こなさなくちゃならない。
主人公の挙動不審に、同僚と奥さんの視線も厳しいですが
一番厳しいのは他の客からのオーダーですね。
「俺に言うな!」 とウェイターに怒られる酔客、可哀想(笑)
この辺りABともあっさり過ぎますが、もっとドタバタと笑わせてくれる作品もあるのかも。

岡田真澄がねー、コンサートのゲスト。
ノーメイクのビビ萩原をみつけて挨拶に来ちゃうので、慌てたビビさん
「調子をあわせて」
とメモを渡して、元夫のウソを守ってあげます。
ここはAが説得力あったかな。3人それぞれに戸惑いながらも、笑ってのりきるの。
スタッフとして挨拶されて
「俺に似た奴がいるらしい」と納得する主人公にクスリ。

あ、Bでは後、
一口のんだグラスを客に出すウェイターが印象的でしたよ。
さてさて、他の作品はどうでしょう。


*#1*  
A:河野圭太カントク  (生瀬勝久 鳥越まり )
B:小田切成明カントク(桑名正博 かたせ梨乃)

凄い人選。ずっと三谷とコンビを組んでる
A:河野カントク、いわば”これぞ三谷”に対して
B:TV局設立時から居る、大長老なんですって!
見事に雰囲気違いました〜。

まず店構え。
A:町中のおしゃれなカフェ(結構流行ってる!)そして外は雨。
B;TV局内、ホールの吹き抜けを見下ろす細長い喫茶店。

#2B宇宙船に比べたら、双方普通の店ではありますが。
TV局内ってのはいかがなものかとB。
仕事で来たらまた逢っちゃう。
更に失礼ながら、B長老分かってないと思ったのは、コーヒーのオーダー。

ウェイターなのは内緒なんですから、
元妻には自分が注文してるふり。
同僚には客のオーダーを通しているふり、ですよ?

なのに普通に「この御婦人にコーヒーを」(妻にも聞こえてるっ)って。
それじゃ、後で来たコーヒーが元妻の前に置かれるってギャグが台無し!!
(#1#2の他3作では、席から遠ざかって小声。#1Aが秀逸で
「この御婦人に」までをひそめて「コーヒーを」は大声で彼女に聞かせてる)
その他、カメラは常にUPぎみで、
『主人公がしょっちゅう立ち上がる=同僚が来たから』
なことがはっきり分からなかったり。

その点、Aは見事に三谷です。
元妻をみつけた主人公が、一旦外に出て店に入ってくるのナイス!
店員の『いらっしゃいませ〜』の声で(その後『なんだ』っていってますが)
目を上げて彼をみつける元妻。
故意か偶然か、ウェイターじゃないって言いやすい。

Aの主人公が芸達者:生瀬さんなのも大きいかな〜。
昔出してたCDのタイトルを聞かれて、むげに「忘れた」でなく、答えようと口を開いたのに思い直して「忘れた」と言う細かいお芝居。この辺、順通り初回にコレをみていたら気づかなかったかもですね。
そして同僚ウェイターが若き日のビスクドール藤木直人!!
見事に下っ端で、先輩が無理なオーダーしようが挙動不審だろうが文句いえない説得力がありますよ〜(^^)

AB共通で#2と違うのは、バンドマンお会計の時に
「ボクってバンドマスターに似てますか?」
とわざわざ訊ねるところ。おそらく脚本にはあって、#2の監督さん達は蛇足だと削ったんでしょう。

Bでは更にその上、ビビとアンドリュー出演のTV番組まで大サービス。帰宅途中の主人公が、街頭で流れるその番組に気づかずに通り過ぎ
ラストに「おわり」マーク!古!
かたせ梨乃のずれたカジュアルウェアといい、とにかく古くさい(^^;;;)スタイリスト含め脇を固めるスタッフも皆さん古参なのかなーと思いますがどうなんでしょう。

同じ脚本が、これだけ違っちゃうんだとしみじみでした。


*#3*  
A:若松節朗カントク(井上順  洞口依子)
B:藤田明二カントク(伊武雅刀 佐藤友美 )

あれあれ? 今まで岡田真澄さん演じてたアンドリュー堺が村井国夫でした。他にもそういう回があるのかな?

今回もAとBのギャップが激しいです。

とにかくA、浪漫ちっく!!!!
元妻との再会で、主人公の脳裏に蘇るあの幸せな日々・・・・。それもいい年して自転車の2人乗りや公園で遊ぶ2人よ??井上順と洞口依子という、ずいぶん年齢の離れた元夫婦。こりゃぁ、旦那のこういうところが別れたきっかけかも、と勝手に考えてしまいました(^^;;;)

店の造りは、ガラス張りのいかにもホール横のビル1Fにありそうな喫茶店。
席がホール正面の外向きで、近況を語る2人の顔の向こうに”ビビ萩原ショー”の宣伝が外でくるくる廻っていて気が気じゃありません。
 ”客の顔を確認(元妻かどうか)するために”
一旦外に出た主人公、ラストにも外まで送っていきます。
そして、今し方まで2人で居た席で一服し・・・(仕事しなさい!)、廻る看板に気が付いてしまうのでした。うわー、湿っぽい。
三谷脚本のウソツキ達に、真実を突きつけちゃ可哀想。
個人的には、『あれ〜、変だなぁ』ぐらいを薄々感じつつも あまり痛い目をみずに、ウソをつき続けて生きていて欲しいのですが。

あとは、酔っぱらいさんがヤクザ系の怖い人だったのが印象的ですか。

Bは場末の、というか外国の田舎の食堂みたいな、変な店。
酔っぱらいさんもビールじゃなしにバーボン頼んでましたよ。
そして迎える伊武雅刀が!髪がありますよ!黒々と!!(西村ファンが言えた義理じゃないのですが、びっくり。ほぼ同じ経緯を辿ってるんでしょうか ^^;;;)

髪はさておき。セットが廻ります。
別のテーブルで会話がされると、カメラでなくテーブルごと人物が動いてきて画面に入るんです(^^;;;)
おまけに、狭い店内を2歩あるけばもう会話は聞こえないことになっている様子。そういうところが、とても舞台チック・・・と思っていたら、ラスト客席まで映ります!本当に舞台だわよ!!!
(これも#1Bと同じく「こちらの御婦人に」を、奥さんに聞かせてました。それじゃ
「私が飲むと思ったみたい」
の台詞につながらないのにね〜)

アンドリューさんがちょっとオカマでした。


*#4*  
A:福本義人カントク( 高橋克実   美保純 )
B:井筒和幸カントク( 今井雅之 川上麻衣子)

わー、大阪弁だ〜B。
しかし井筒カントク、三谷とは相性が悪いかも(^^;;;)
せっかくの大阪弁、ポンポンとやりとりは楽しいですが
アドリブが増えるんです。ののしり言葉の「泥亀!」でも、亀に意味があるのかと変に気がそれたりして
また、ステージのついてる店内。
ビビ萩原はこれからそのステージでセッションなんです。
じゃあ、奥さんに会って「何してるんだよ」じゃないでしょ。ステージ見に来たかもでしょ。
それでなくても、自分の出演を「見たい」って居残られたらどうする気ですか。ウソの前提が崩れちゃってる場所選びでした。
また、同僚が居る前でも席に座る主人公。
営業中に女口説いたりする、適当な奴・・・ということかもしれませんが、同僚にも奥さんにも同時にウソをつこうとする面白さが半減です。

そしてラスト、ビビの看板に気づいて絶叫・・・!!
ビビとアンドリューさんは店内の床で熱烈ラブシーン中。
一体あの後どうなっちゃったんでしょう(^^;;;)カントク自身「難しい脚本」とコメントしてましたけど、どうにも「違う」感じでした。
あ、2人がどうやら演歌歌手だったらしい設定は面白かったです。「もう何年も」唄ってない、のは『演歌』のことなのねジャズ歌手な奥さん。ウソついてないんだ(笑)

対するAは、スタンダードかな?
のっけからホール前に救急車。それに気を取られた主人公はビビのポスターを見ていないし、公演が遅れ気味なのもその事故のせい。なかなか面白いいじりかたですね。
奥さん役の美保純が・・・・特にアンドリュー堺とハジけるラストシーンなどではどうにも浮いていたのは気になりましたが、高橋さんの哀愁&ナチュラルに嘘つきそうなところは作品にぴったりです。
最後も、うまく切り抜けられて嬉しそうで・・・・・。

やはりこれ、自分のウソがばれていたことに・・・
気がついちゃいけないんだなって改めて思いました。
二度と会わないだろう人に『万事順調』ってウソをつくのは
彼にとっては「いいこと」  サービスなんでしょう。  


*#5*  
A:石坂理江子カントク(尾藤イサオ 伊佐山ひろ子)
B:中江功 カントク (  ベンガル   黒田福美 )

今回はABともちょっとお洒落。トレンディードラマの香り??

特にBなんてクリスマスツリーとサンタですよっ。
冒頭、ウェイター同僚の男の子寄り画面で始まって(ビビのチラシをもらってくるので、彼は奥さんの顔に見覚えがある様子)・・・・締めも男の子目線。
ラストなんと!
ビビと主人公、寄り添って雪の街に去っていくのでした・・・。

”奥さんがビビだったと気づく”のはAB共通なのですが、
その後会いに行っちゃうのは初めてで衝撃的。しかもよりが戻るなら・・・ウソは許されたことになるでしょう。
それって三谷的ではないですが・・・なるほど、
ハッピーエンド。

その他、それぞれに印象的だったこと。
A;主人公はピアニスト。
オーダーはバーボン。(酔っぱらい客のオーダーを飲み始めちゃった)
元奥さんがオバサン!!!!!失礼、年輪を感じさせて良い配役でしたよ。他が若すぎると思った方がいいのかも。

B;タイトルバックがレコードジャケット。
「三番テーブルの客」って曲名の!奥さんとデュエット!!
黒田福美さん、美人〜!!ブルーのマフラーも鮮やかでハッとしました!!
店に来るスタッフ3人はバックコーラスで、女の子♪
「君に化粧は似合わない・・・」の後、おごる話は出ずに
「明日から素顔に戻るわ」発言。
そして上記の様に、待っていた元旦那に応えるわけですね。

Aで、歌手をピアニストに変えた意味は特になし。
Bはとにかくラスト違うし。

三谷さんは、現場に台詞をいじられることを嫌う・・・とどこかで読みまして、ちょっとぐらいいいじゃない、と思ったことを白状します。
でもこうして実際に作品をいくつもいくつも見て、それぞれに方向が全然違っていることを思うと・・・よほど信頼した人にでなければ、勝手に変えられたら(「ラジオの時間」じゃないけど)たまらない、という気持ちも分かってきました。

個人的にはB、好きですけど。三谷さんはどうでしょう。ふふふ。


*#6*  
A 鈴木雅之カントク(白井晃 とよた真帆 吹越満 )
B 岡村俊一カントク( 柳葉敏郎 藤谷美和子 )

まずはA、手堅くまとめて良かったですよ〜。
白井さんと吹越ウェイターのコンビもオッケー。芸達者な2人のくるくる変わる表情を、目元をとらえる大UPできっちり映してくれていました。
とよた真帆も文句無く。

・・・でも、印象薄くて。
だってBがハチャメチャ問題作なんですよ!!

突然ギバちゃん、外回り。ネクタイスーツで家庭訪問して
コンドーム売ってますよ??
お得意セールストークが「青春は必ず戻ってくる!」
なんなのこれ、どーしちゃったの??と困っていたら喫茶店で一息入れてくれました(^^;;;)
そこに、居たんですね元奥さんが。
その先がやっと「三番テーブルの客」に。

元役者だったギバちゃんは、偶然持っていたロケ台本を見せて、主役のフリを始めます。まさか表紙のヒロイン名:ビビ萩原が目の前の元奥さんだと思わずに。
同行の先輩には”ナンパ中”と仕事を押しつけ、途中入場のバンドマン・・・ならぬロケのチンピラ役を丸め込み、アクションスター:岡田真澄に元奥さんが手渡したのは、ギバちゃんの商売モノのコンドーム。うひー。
その合間にもこまめにセールストーク「青春は必ず戻ってくる!」をちりばめて、ドタバタは忙しく展開していきますっ

そしてラスト、諦めていた夢を思い出した主人公ギバちゃんは、
今でも出来るかな・・・と
見事成功させるんです。
 バック宙を! セピア!!

なんだかなー、こんなにいじってしまっていいのでしょうか。
確かに同じ台詞はあるし、ウソを並べて切り抜けるコメディとしてはきちんとポイントおさえてます。面白かったですよ。
でも、足されたセールストークやラストが強く打ち出す
「夢をあきらめるな、君はまだやれる」
というメッセージ、これって元の脚本では全然登場しなかったものじゃないですか。いくら8割の台詞が同じでも、なんだか印象は全然違う作品なんですー。

それこそが監督の醍醐味なんでしょうか。


*#9*  
A:松岡錠司カントク(筒井道隆 緒川たまき &津川雅彦 )
B: 星 護カントク(草刈正雄 石富由美子& 村井国夫)

うっひーっミュージカルですよ!Bの星さんのパート!!
厨房でいきなり、後輩ウェイターが歌い出した時にはどうしようかと思いました。

でもね。Aのインパクトに負けますね。
Aの松岡さん。「きらきらひかる」の人なんだってーとワクワク見始めて、
もう本当にびっくり。画面が白黒だったからじゃないですよ。
く、暗いの。
今まで一番、脚本が違っちゃってると思ったギバちゃんの回だってこれに比べたら忠実です。だってコメディだったもん。だってウソついてるもん。
松岡さんは、嘘つきが嫌いなんですね?

Aの舞台は撮影所内の喫茶店。
主人公:筒井道隆くんがつくウソは最初っからバレバレで、
呆れた奥さんの沈黙が重〜く重〜くのしかかります(^^;;;) 
わ、笑えない。
ウェイターじゃないので、当然立ったり座ったりも
オーダーをごまかすギャグもなし!

アンドリュー堺が登場しても目を合わさずにうつむく奥さん。
だ、だめじゃん、ごまかしてあげなきゃ
・・・と思ったらなんと、
「元の主人よ」と主人公を紹介し、          
「今の主人なの」とアンドリューを紹介する奥さん!! 
主演女優だとばれずにここに居るための優しいウソ。 主人公のお粗末なウソじゃ、のっかれやしませんから。

だって・・・今回の主人公、売れない役者で出番待ちのエキストラ。現れた奥さんが、主演女優のビビ萩原ですよ。
「相手役なんだ」
と見栄っ張りなウソをついたところで、撮影始まったらお互い即バレですから!っていうか、同じ業界にいるなら主演女優の履歴ぐらいは知ってろよ!!

その後、自分から「俺、ウソついてたよ。」と告白する展開も初めてなら
『話を合わせて』の紙を主人公が見ちゃうのも初めて!
最後、雪が降る中互いの気持ちを打ち明け合った2人がい抱き合い、ハッピーエンド・・・はいいんですけど、
まるっきり別の作品じゃん!!

私もドラマの感想書く中で、ここはこうしたら、いっそあっちはああだったら、と勝手を書きますがそれをどんどん実行するとこうなるわけですね。
怖いっ怖すぎるっ
松岡さんが目指したのはなんでしょう。
正直でいることの大切さ?
同じ台詞がギャグだったり深刻だったり・・・という。「ガラスの仮面」みたいなお遊びをするなら、設定や台詞はあまりいじらずに演出オンリーでやってみてこそ、でしょう。

えーっと、影の薄くなったBのミュージカルですが。
村井国夫の美声にびっくり!!
サ店むかいの劇場のポスターに、常に誰かがもたれかかっていてビビの顔が見えない、のには笑いました。 それ以外は・・・・・唄うと、表情に乏しくなっちゃうというか。同じ30分がめっちゃ退屈に感じてしまいました。
もうちょっと曲自体が練れてたらよかった・・・のか??


*#7*  
A:中島信也カントク(近藤弐吉 村松恭子 &小檜山洋一)
B:木梨憲武カントク(木梨憲武 石井苗子 &梅津栄)  

Aの中島カントクは、CM畑のヒトなんだそうです。
そのためか、AはのっけからTVCMが流れます。
アンドリュー堺のCD絶賛発売中!ビビ萩原の公演間近!びっくりです。
なのに、なのに本編がずっと舞台公演だったのは何故・・・。
UPがなく、人物が小さ〜く見える画面でのお芝居が延々と続くんです。台詞はわかっているだけに早送りした衝動に駆られました。ええ、つまんなかったです。
そしてラストはビビ萩原、衝撃のオンステージ!!
♪サンバサンバ、小鳥が三羽〜♪
って、スパンコール水着に羽つけた安っぽい衣装で2コーラスも。あ、あれは笑うところだったんでしょうか〜(苦)

〆にもTVCMが入って、ビビ萩原ショーと「機関車先生」
つまり、再放映時に公開していた新作映画に差し変わっていて、芸は細かいですが、そんなことどうでもいいだろーって感じ。

思うに、シリーズも進んでくると前のものを観て「違うこと」をしようとするだろうし、自分のカラーにも拘っちゃうだろうし、真っ直ぐに面白いものを作ろうという道から外れてしまいがちなのかも・・・。

その点、トンネルズ木梨さん初監督作品Bは、ご自分のキャラを活かしたアレンジをしつつも『オーソドックスなイイ話』に仕上がっていて好感が持てました。
主人公は徹頭徹尾いじめられキャラ。
先輩ウェイターのすべてのセリフは喧嘩腰で、怒鳴られてビクビク。奥さんの前でも挙動不審なほどオロオロ。
また奥さん(=ビビ萩原)がマダム系のいい女で・・・
この2人が昔結婚していたなんて悪い冗談に思えるほどです。
それでも、見え透いたウソに調子を合わせるマダム萩原から、彼への思いやりが感じられます。
アンドリュー登場に、必死の寄り目でサインを送るところから俄然、面白くなりました。この女優さん、正統派美人なのにギャグな演技も出来るんだー。
(「サインして」「話を合わせて」は無し)
そして別れ。
ぐっと引き戻した主人公が、激励でなく別の言葉を選んでいたら2人、
またよりを戻せたのに・・・。

この回は、「ビールくれっ」役が岡田真澄さん。
ビビ萩原が帰って、やっとビールついでもらえると思ったら・・・・主人公が自分で飲み干してしまいました!! そりゃ、喉も乾いたろうさ、あんなにオロオロしてたら。

そしてラスト、こちらもビビ萩原が長々と映るのですが、『まだ好きだった』という余韻を深める、しっとりと素敵なステージでした。
木梨さん、これ以後カントクしてるんでしたっけ?
ガンガン活躍して欲しいと思いましたー。
(でも主人公を出っ歯の差し歯でブサイクにみせるのは、ヤリスギ)


*#10*  
A:和田誠カントク(小日向文世 北村岳子&宍戸錠)   
B:中村育二カントク(中村育二 かとうかずこ&松崎しげる)

この回はやっぱりAの和田誠監督でしょう〜。
店内せましと和田誠のイラストポスター!
それだけでも嬉しくなっちゃうのに、そのポスターをみながら
「今日は誰?」「ビビ萩原」ですからねっ
そりゃ、分かりませんよいくら元奥さんでもイラストじゃ(笑)
厨房でも、オーダー見本の写真が壁いっぱいに貼りつけてあったりと楽しい美術。そして、主人公自ら店内にムードミュージックを流しての、奥さんとの再会です。
そうそう、タイトルも和田さんのあの字でした!

そしてウソは、小日向さんのつるんとしたキャラクターで静かに進んでいきます。 微笑みながらウソをつくのね・・・
まるでお天気の話のように自然に。
さすがにアンドリュー堺の登場にはあせってましたけどね。家庭では日常的にウソついてたに違いありません。困った人です。
美人とはいえない、でも笑顔のキュートな奥さん。
苦労したんだろうなぁ。
静かに分かれていく2人。ウソがばれていることには気付いたんだか、気付かないんだか。正統派の映像化でした。

始まりに長々と酔っぱらいの背中を追って店内に入ってきたカメラ、ラストには長々と奥さんの背中を追って楽屋入り。厚化粧にカツラで別人:ビビ萩原に変身するところまで映してくれました。

Bはお髭の中村育二監督&主演。(松尾スズキかと思った・・・)
主人公は店長・・・だけど雇われて、オーナーは別にいるのね。常連のコーラスグループと唄いながらのオープニングエンディング。
そのグループのリーダーとして、今日ビビと共演するというウソ。
なるほどではありますが・・・・
普段から座り込んで客と唄ってるなら、奥さんの席に座り込んでコーヒー呑んだって、誰にも怒られないんじゃないの店長? グループと顔見知りということで、いつものウソのオーダー取りが妙な感じ。
その辺、する必然性のわからない改変でした。
奥さんも、「話を合わせて」の紙、袖の中からわざわざ出さなくても(笑)
『べべおぎわら』といい、2人の間に子供がいるの?と思わせておいてペットの話だったり、小ネタがとにかく笑えなかったわ〜。

さて、次でいよいよ最終回!西村雅彦登場です!!
我慢できずにちょっとだけ最初みちゃった。西村さん頭に寝ぐせつけて登場です!!寝ぐせ!!  


*#12*  
A:山田和也カントク(西村雅彦 黒木瞳 &細川俊之) 
B:蜷川幸雄カントク(宇崎竜童 樋口可南子&植木等 )

ついに、ついにこれを見る日が来た!
だって西村雅彦と黒木瞳が夫婦ですよっ
「TEAM」ファンにはたまりません。そして馴染みの山田監督♪これを楽しみにするなと言われたら困るってもんでしょう。

・・・しかし、期待しすぎたみたい(涙)
ABオーソドックス対決??

絵ヅラとしては、片やアプローチに緑あふれる明るいカフェ(A)
片やむき出しコンクリートに、前衛オブジェ並ぶ薄暗いバー(B)
対照的です。でも全体の印象は似てました。ひねりがない。
細かいセリフのそこここ、ああ、分かってるなーという演出のメリハリがないっ(涙)

しかも西村さんたら、滑舌悪いわっ。
ここまで何作も繰り返し見てセリフ分かってるからいいけど、初見だったら多分聞き取れません。

B:世界のニナガワは、どこそこホモくさい。
若いウェイターが主人公に妙にボディタッチ、ビールの客がテーブルでメイクを始め、女言葉になり、終わる頃には立派なオカマさんでした。 でもだからって意味ないしねぇ。
いっそ主人公がソレで離婚してるならともかく。

そんな中印象的だったのはAウェイター役の伊藤俊人さん。
いつでも妙に嬉しそう!相棒の挙動不審も妙なオーダーも面白がってます!こういう役作りがあったのかーって感じ? これは良かったです。

黒木瞳は・・・・普通に可愛い。でもそれだけ。
今の「上司にしたい女性No1」イメージを捕まえる前なのね?元夫婦2人そろってもままごとみたいで、
だから別れちゃったんだぁ
って部分がまるでなくてがっかり。 仕方ない、ファンとしては西村さんを鑑賞します。
特筆すべきは、寝ぐせ!!
冒頭、登場する西村さんったら凄い寝ぐせなんですよー。今となっては不可能な髪型!ちょっと見物です。(^^;;;) そこに現れて挨拶する伊藤さんが、既にもう嬉しそう♪
その後、ウェイター姿の西村さんはいつも通りの姿勢の良さで、それはそれは素敵ですよー。
滑舌悪いけど。
そしてラスト、上手いウソをついたつもりなまま幸せそうに終わるのでした。

私もそんな気分で騙されて終わっておこう・・・。




     同じ物語の同じセリフを、結局何回みたでしょう。でも面白かった!
     こんな試みがまたあったらと思います。
     そして「カントク」ばかり解説されるけど、「演出家」って何するの?と
     新たな疑問が湧いてきて困るのでした。

このページの背景は
「RELISH」さま 
より使用させていただきました。