西村雅彦・関連読み物
御本人&三谷幸喜エッセイ。あとはドラマの原作とか・・・。

「僕のこと、好きですか?」 ・ 「オンリー・ミー」  ・ 「午前3時のルースター」
「古畑任三郎*殺人事件ファイル」  ・  「量刑」
「天使の牙」  

「TEAM」ノベライズ ・ 「裏ドラマ」  

阿川佐和子の「この人に会いたい」 ・ 「ふるさとの民話」19  
「脚本(シナリオ)通りにはいかない!」 ・ 「コラムは誘う」  

「僕のこと、好きですか?」

 好きです。うふ。でも、デビュー前の大失恋など語られても困ります。
 西村雅彦エッセイ。
 やはり駆け出しの頃の撮影裏話が興味深いです。「振り返れば」の最終回・織田を刺すシーンのいきさつ(深夜に急に呼ばれて、「刺してくれ」。どう顔が映るか計算しまくったそうで。)とか、”役作りにまず声を考える”とか。
 ”キスシーンやベッドシーンに変な演出をされて、そういう扱いなんだとがっかりした”とか。(ちなみに「オトナの男」。最近の「永田町」と何が違うって話もありますが。)

 そういう意味では、”丹波肇”は直球で”カッコイイ男”の役。そんなカッコイイ男のラブシーン観たかったですよ!!いきなりパパになってんじゃなくて!!

    付記 <追悼:伊藤俊人>
 「古畑任三郎」で、今泉巡査といえば鑑識の桑原さん。
 狭い部屋で並んで2人、あーだこーだいうだけで間がもってしまう深夜のコーナー「今泉慎太郎」が話題を呼んだモノでした。
 でも撮影は、本編の収録に続けてまとめ撮りという過酷な待遇。
「僕たちが無名だからだ、これでブレイクしてやろう!」
と励ましあいながら狭いアパートで練習をしたもんだった・・・・。なんてエピソードもこの本にありました。ゴハン茶碗でコーヒーを飲んだのも、きっとその時だったんでしょう。
 三谷幸喜いわく「もし古畑をまた書くとしても今泉のコーナーはない」そうですが、伊藤さんが亡くなられて、しないのではなく”出来なく”なってしまったかと思うと本当に残念です。

「オンリー・ミー」
 三谷幸喜エッセイ。
 一緒に仕事をしなくなった昨今はいざ知らず、昔はどこでもペア扱いで(「さんまのまんま」だって2人で呼ばれていたしねぇ)困惑していたらしく、お互いに「家がどこかも知らない」とか「僕に三谷のスケジュールを聞くな」とか、書きあってます。
 それでもこういうの↓読んじゃうと・・・。

 ”脚本を書く時に注意すること”
 1・西村雅彦の出番を多くする
 2・西村雅彦の登場シーンを印象的にする
 3・西村雅彦を印象的に退場させる
    ”これで貴方も立派な座付き脚本家!”

 世話を焼かれてるのがありありでしょ〜??でしょ〜??
 ・・・三谷×西村、愛憎のもつれ・・・(ウソですよ!)


「午前3時のルースター」 垣根涼介
 例の2時間ドラマの原作。
 ドラマで不満だった部分は概ね原作に忠実だったことが分かってすっきりしましたー。

 注目はもちろん、西村氏演じたところの源内さん!
 屈折しつつイカれた感じが見事にイメージでした。ナイス配役〜。派手なアロハ着こなしちゃってます。
 ドラマでは手配師。裏切り者の役もひっかぶってベトナムの地に消えましたが、原作では主人公(ツアーコンダクタ)の古馴染みで、親の遺産を受け継いだ大金持ちです。孤独でひょーきん。
 失踪した父を異国に捜す少年に唯1人自分を投影できる、いつかは相談にものってもらえそうないい男(でも女好き)なんですよー。
 空手の有段者、というドラマでは消えていた設定も美味しいです。
 誰か読んで!「再会」を一緒に妄想して!!(「青春時代」でもいいです。<いないって)



「古畑任三郎*殺人事件ファイル」 三谷幸喜

 脚本家自らの手になるノベライス!!
 ・・・・・・・・それがこんなに非道いとはぁぁぁ。

 いえね、台詞はほとんどあのまんまですよ。TVになかった心理描写もあるかもしれませんよ。でも地の文がほとんどト書きだもん。なんにもないもん。
 これだったら脚本集を読ませて欲しい。いや、いっそゴーストライター切望!!
(今泉君が出てこないから言ってるんじゃないのよ!!)



「量刑」

 さすが夏樹静子!!な法廷サスペンス。

 本当は、誰も死ななかったかも知れない交通事故なのに・・・。
 恋人をかばって犯罪を重ね泥沼にはまっていく女。
 保身と自信過剰から招いた最悪の結果を、金で解決しようするその恋人。
 おいしい話に騙されて、海外で拉致される裁判官の娘。

 それぞれの真実・主観を知る「神」に近い読者の立場から見ると、裁判で分かる「客観的な真実」のなんて不安定なことか。
 ちょっとした黙秘で、真実はどんどんと藪の中。それを裁ける人間なんているのでしょうか。

 さておき。
 西村さん演じたところの星裁判官は35才。
 フランスの裁判所へ2年留学など典型的なエリートであることが強調されています。同時にもとボクシング部だそうで、鍛えた体に”つやつやと小麦色の童顔”がのっているのだとか。つやつや。成る程。
 主席裁判官と補佐2人という狭い職場関係。さしさわりのない話題を、ということで星と同僚の松本由佳(28才:桜井幸子)とはグルメ談義に花が咲くのが微笑ましい感じ。

 実は、ドラマ化と聞いて似合うと思った役は吉武さんでした。
 「恋ノチカラ」で西村さんの役名が吉武だから・・・じゃなくて。
 颯爽と現れる、がっしりと長身な主人公の同期の検察官。ぎりぎりの時間のなかでさらわれた娘を捜して奔走する友情あつい男!!
 実際にはドラマではほとんで出番もなくて、なるほどな配役だったと思いますが中村雅俊と料亭で飲み交わすニシ村さん、ちょっと見てみたかったです。


「TEAM」ノベライズ
脚本:君塚良一 ノベライズ:鈴木しゅんじ・山野伸子


 図書館、ネット本屋各店、探し回ってやっと読めた幻の??ノベライズ!

 表紙はツルエラのシルエットです。
 期待していたカラーページは、相関図での証明写真みたいなUP写真だけ。もっと名場面をカラーで挟んで欲しかったけどなぁ。
 何がノベライズらしいって、どの台詞が誰の発言か説明がなかったりして
「TV見てないとわからないよー」
なところ。(そりゃ普通、観てない人は読まないけどね)
 奇数章が風見の、偶数章が丹波の一人称で語られる十一章立てで、各章が本放送での一話分に相当します。

 この一人称ってのがねー。
 風見の心の声は「点数もらった」等いつものことですが、丹波さんのってなかったじゃないですか〜!!もう、偶数章になると恥ずかしいやら照れくさいやら。
 おまけに本人が立ち会わなかった場面は存在しません。
つまり、爆弾事件での風見の活躍も伝聞なら、坂上襲撃事件での坂上と丹波のデート??もすっとびです。(エンディングの飲み屋は、2人で行ったのになかったし!!)残念!

 それでもやっぱり、名台詞には改めて心震えました。
 読むとますます本放送を見返したくなる一冊です。

 丹波さんが、前田季織を”季織ちゃん”と心の中で読んでいるらしいこと(困惑)と、”妹以外の女性にプレゼントを渡したことがなかった”ことは・・・・、内緒!!


 追記:結局、届いたのは半年以上前に発注した移動図書館での取り寄せでした。間に挟まっていた貸し出しレシートに並ぶタイトルは・・・・
「チーム」「聖者の行進ノベライズ」「ビストロスマップ美味しいレシピ」 誰だか知らないけど大阪市内在住のあなた、話が合いそう・・・・。



阿川佐和子の「この人に会いたい」
 阿川さんの対談集かぁと手に取ったら、傑作選22人の中に西村さんがはいっているじゃありませんか。いや〜ん運命?
 96年6月週刊文春での対談です。

 まだTVに出だして3年目頃。
 大学中退や、当時の恋に水をむけられて「昔の話は気が滅入る」とナイーブなコトをおっしゃってます。若いわね、ふふふ。

 「竜馬」放映時なんですね?毎週みているという阿川さんに照れながら「ホントかよ」
 慣れない人にこんなぞんざいな口きくとはちょっと新鮮。
対する阿川さん、毎週読んでますという西村さんに「ホントかよ」とお返し(笑)
 もう話すことはないとか、聞き返されると辛いとか弱音を吐く西村さんをよいしょして対談は進みます。大変ですねぇ。締めくくり、趣味は1人で裏道探索という友達の少ない西村さん。
「友達になってくれよ(笑)」
「なってやってもいいぜっ(笑)」
とフレンドリーに終わるのですが・・・先日の「隠れ家ごはん」での再会(?)ではそんな様子はございませんでした。ま、それっきりなのが普通でしょうか。

*「浜田さんはいい人だよ」*
   「竜馬」のハマちゃんをべた褒めです。見たいなぁ〜。
*「竹中さんから『ちょっと話しようよ』って*
   NHKの食堂で、演劇界の将来について熱く語る2人!
*「僕の身体が田村さんの顔をかくさなければ」*
   古畑任三郎、セリフのアドリブはないもののどんどんエスカレートする大げさな身振りはokです。田村さんの顔にさえかぶらなければ(笑)

 はにかむ笑顔の写真が素敵です。他の対談の方々の撮られ方と比べてみるのも一興かと。(阿川さんを抱きしめてる勝新太郎とか!)

「脚本通りにはいかない!」 君塚良一 

 あの「踊る大捜査線」の、あの「TEAM」の脚本家、君塚良一氏が語る映画の話。

 お仕事柄、完成作から脚本家の姿勢や待遇も透けて見え、現場に同情したり焦ったり、影響を受けたりするわけです。
 具体的には、「JSA」を観て「TEAM」sp2を書き直したなんてネタも!
(セオリー崩しが、かえってテーマを明確にしているとか。そこでミステリーとしてきっちり作ったsp2原稿をいったん捨てて、放映された完成稿になったとか。元のも観てみたいですよね〜!)

 ご自分の脚本術としては、「心の羽」「奇跡と悪夢」のふたつが印象的でした。
 つまり、「TEAM」本編開始時の丹波さんは、心の羽がぴったりと閉じて他人と交われない状態。それが、羽がぺらっと広がった風見が現れることで、彼の心の羽も次第に開いていく。
 逆に、丹波さんが危篤の時の風見の羽は、閉じてましたね!!
 それぞれの人物の心の揺れ、触れ幅を表すイメージとしての羽でしょうが、映像を想像すると耽美でおかしいです。スーツに天使の羽のツルエラ・・・・「ベルリン天使の詩」??

 また、作品世界では脚本家は神ですから、奇跡は思いっきり起こす派!!
 ただし突然誰か死ぬような”悪夢”は避ける、奇跡にも伏線を張っておく、など神様にも自己ルールを設けているそうです。

 その他、古いものから学んだりしないとか、現場で台詞が変えられるのは気にしないなど、欽ちゃんとお笑いをしていた人らしい言葉が満載でした。
 ”答を用意して書くことはしない”んだそうです。それでは、ただ一つの解答を押しつけることになるから。
 ・・・そうして、答が見つからないまま終わる「TEAM」が生まれたのね、と結局なにを読んでも考えがそこに行く私でありました・・・・・。



「裏ドラマ」 君塚良一

 脚本家:君塚氏の日常?をつづるエッセイ??・・・に、みせかけた小説??
 なにしろ昼間から幻と会話し、記憶は途切れ、謎の男はもてまくり。全てのドラマは偶然と助言から生まれてる。そんなの本当だったらイヤん(笑)

 それでも、企画会議や時代の空気を描く部分はかなり真実かと思われます。
「恋人はスナイパー」「さよなら小津先生」が、「TEAMスペシャル2」が、「ホーム&アウェイ」「踊る大捜査線」の映画パート2が生み出されていくあたりのお話。
 特に、テロ事件が「小津先生」の姿勢、つまりはドラマの構成を変えたり・・・没になった「幸せを与える天使」の案が巡り巡って生きてくるなど、出来上がった物として受け止めていた”ドラマ”が、実に流動的に生まれ出てくる・・・生き物の様に思えてきました。

 ちなみに、「TEAM」スペシャル2に関する単語を拾ってみますと
キーワードは「嘘」
少年は父から嘘を教わっていた
キーワード2「都市伝説」
映画「ユージュアル・サスペクツ」の手法を取り入れて・・・「存在しない主人公」

 で、折に触れ行き詰まった君塚さんに創作のヒントを与える謎の男、40がらみで長身のコダマさん。モテモテなこの人のビジュアルはもちろん、西村雅彦でイメージさせていただきましたよ!えへへ。



「ふるさとの民話」19  (世界文化社)

 「京のかえると大阪のかえる」「おりゅうとやなぎ」の2話収録。中とじの絵本にCDが付いて、絵本を見ながら朗読が聞けるようになっています。
 「ふるさとの」というぐらいで、各地方ごとの編集で毎月第1第3木曜発売の19巻は「近畿地方その4」  富山出身の西村さんがどうして近畿〜???

 だって、のっけからカエルがバリバリお国言葉ですよ!
 いくら方言指導をいれても、不自然じゃないのかなぁ。それとも、素が大阪や京都の人では引きずられてかえって両方は出来ないとか?どうせなら、富山弁ばりばりも聞いてみたかったですねー。(他の巻も、桂三枝が北陸・東北、確か博多の森尾由美が中部。地元は外すようで、なんだかもったいないです。)

 そんなことを脇に置けば、ちょっとだみ声の大阪ガエルと優しいしゃべりの京ガエルの演じ分け、ひとつぶで2度美味しい楽しいお話しでした。(5分52秒)
 2話目では、柳の精の若者の凛とした声と彼に恋する乙女の色気が楽しめます〜。(12分59秒)

 そして絵本の最後のページには、よく見るスチール写真と略歴&短いコメントとサイン。
 これで880円。いかがでしょう?



「コラムは誘う」
エンターテイメント時評1995〜98小林信彦


 「笑の大学」が褒められていると聞いて読んでみました。なるほど絶賛。  その回のタイトルも、「『笑の大学』と西村雅彦のオーラ」ですよ、オーラ!他にも「西村の肉体の<優雅な悪意>」「奇妙な色気」と、ファン悶絶な表現が満載です。和田誠のさしえの2人もいいよねぇ〜。

 他にも「アパッチ砦の攻防」「ショウ・マスト・ゴー・オン」もご覧で、三谷ファン?かと思うと「総理と呼ばないで」は”つまらなくて不愉快だった”とばっさり。で、菅野美穂が好きなんだよね?(笑)もうお爺ちゃん、言いたい放題。
 しかしただのご老体じゃありません。戦後の焼け跡がどう、白黒の邦画がどう、といいつつもトンネルズやスマップをビデオにとってまで見てたり、売り出し中の爆笑問題がいい、なんてあたりは流石です。
 「キムタクにはコメディセンスがある」との御意見も、納得だもの。ここ数年のマンネリキムタクドラマにはどうお考えでしょうか、老師は??  ずっと続いているらしいので、この前後のシリーズも是非読んでみたいですね。
 そして、WOWOWの体質は変わったのか??早朝放映の邦画をチェック??

 



「天使の牙」 大沢在昌

 映画「天使の牙B.T.A」の原作です。ん〜、まとも!!
 脳移植によって別人にされた女刑事が、ボスの愛人として犯罪組織に潜入を計画。しかし恋人が現れる。
 愛人=女刑事を殺させたのは彼なのか?それとも??
 ・・・という、あらすじは一緒なんですけどね〜。
 大画面の美しい映像を楽しみつつも、時折なんだかなーと思った部分(地下基地・移植前後の変化薄・ヒロイン消失なラスト)が、小説ではどれも違ってて納得いくんですよ!ホッとしました。

 移植前のヒロインと恋人は、いわばアジャ・コングと小川直也??
ほとんど男なヒロインと、武骨な仁王が恋仲だったってのが既に映画の美男美女よりも微笑ましいし、移植後「美しい女」の得を初めて知るヒロイン、切なくていいんです。
 正体を明かせないまま「美しい女」として恋人に抱かれるかもしれない不安。矛盾。ボス君国に抱かれるよりつらいでしょうコレは。変に濡れ場にしなかった作者、男なのに偉いかも知れない。

 更にはラスト!!
 ベタ甘っ。でも娯楽の王道ですからねハッピーエンドは!!
(「女性に観て欲しい」というなら、映画もこの路線で良かったのに??)

 西村さん演じた中西警視正は、薄茶色い瞳の端正なエリート官僚さまですよ〜♪
 決して女性の部下と2人きりになったりしないそうで、李下に冠を正さず、セクハラだの不倫だのと勘ぐられる程の美丈夫なのね〜なんて浮かれました。
 でも、出番少なすぎ!
 原作通りに映画化されていたら、見せ場も決めぜりふも無しですよ〜??西村さんに関してだけは、変えてくれてありがとう!と言っておきましょう。(映画版の方が莫迦ですが・笑)



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