境界性人格障害(ボーダー)について [境界性人格障害とはどんなもの?治療法は?]



 

■境界性人格障害(ボーダー)とは?
対人関係を保つことが難しかったり、感情がの起伏が激しかったり、自己評価が低いなどの特徴があります。
総合失調病といってしまうには症状が足りず、かといって神経症でもない状態のため、神経症と分裂病との境界ということから、境界例ともボーダーとも呼ばれていて、日本では、1980年代から注目を集めるようになりました。

■境界性人格障害(ボーダー)の主な特徴
  • 人に見捨てられることを避けようとする為に、大変な努力をする。
  • 対人関係においての評価がとても不安定で、理想化とこき下ろしが激しい。
  • リストカットなどの自傷行為を繰り返したり、過食や拒食を繰り返す、また自殺のそぶりをしたりして脅かす。
  • 数時間しか気分が安定せず、極めて気分が不安定である。
  • 常に空虚感を抱えている。
  • ささいな事で激しく怒ったり、感情のコントロールが出来ない。
  • 一過性のストレスによる妄想にとらわれたり、重篤な解離性症状が現われる。
上記のような症状を持っている事が多いです。このタイプは特に若い女性に多くみられます。
自己像、対人関係、感情の不安定および著しい衝動性などが若いうちから始まり、様々の状況で明らかになる場合が多いです。
感情の浮き沈みが激しく、多くはうつ症状が合併しているため、うつ病ではないかと心療内科を受診される場合も多いですが、実際には境界性人格障害だというケースも多いです。


■境界性人格障害(ボーダー)の原因

子供時代、親が必要以上に過保護だったり、逆に愛情を与えなかったりすると、「自分」というものをうまく作り上げることができず、自立をするのが怖くなったり、見捨てられるのを非常に嫌がるようになっていきます。
また、複雑な家庭環境や虐待などの心的外傷によっても、「自分」をうまく作り上げることが出来なくなくなってしまいます。
あるいは、現代では生活時間の急激な変動にともない、人と人とのコミュニケーションや、忍耐力の重要性が低下しており、それにより上下関係の欠如や、マナーやしきたりといった社会とのコミュニケーション能力が培われることなく成長することで「他人」と「自分」を確立できないまま成長してしまうといったケースも見られます。

[主な原因となる状況]

  • 親による過剰な過保護、あるいは無関心
  • 親兄弟による虐待、その他心的外傷
  • 人とのコミュニケーション不足
  • 我慢、忍耐力の低下
  • 自分、または他人への甘え
  • 社会から夜が失われ、 生活が夜型になり、社会とのかかわり不足
    etc

■治療法について

治療に関しては、カウンセリングが主な治療法となります。
人格とは、生まれ育った環境や長年の積み重ねによって形成されているものです。それを変えることは大変困難なことです。カウンセリングによる治療は長期にわたるため、本人が治したいという強い思いを持つことと、周囲の協力が不可欠となります。
社会において、何かしら困難さを感じており、うまく適応出来ないと悩んでいるのであれば、それを改善するために、薬物療法や精神療法に取り組む意味がありますが、自分の症状に自覚がなく、不自由を感じていないのであれば、自ら治療を受けにくることはないでしょう。こういう場合は、周りが振り回されることが多いのです。

医療の範囲では主に薬物療法となります。気分の浮き沈みを調整したり、ストレスによるダメージなどを 和らげるように対処していきます。
例えば、境界性人格障害では、うつ症状を併発している場合が多いので、実際にうつ状態を改善する治療をしていきます。 そのことにより、気分の変調を下支えすることが出来ます。
その他の症状の場合でも、それぞれに合わせて症状を緩和していくように、安定剤や鎮静剤を用いることがあります。

当院では基本的には薬物療法が中心です。カウンセリングによる長時間の精神療法は、健康保険適応外で、ご希望される方には当院より専門機関へご紹介します。




■境界性人格障害(ボーダー)の診断基準(DSM−IVより引用)。
以下のうち、5つ以上当てはまると、境界性人格障害の可能性が高いです。

  1. 愛情要求が強いため、愛情対象が自分から離れようとすることを嫌う。離れないように異常なほどの努力や怒りを見せる。
  2. 他人を理想化したり、こき下ろしてしまうというように、人に対する評価が極端に揺れ動く。そのため、対人関係が不安定。
  3. アイデンティティ(自我同一性)が混乱していて、自分というものがはっきりしない(同一性障害)。
  4. 非常に衝動的で、県下、発作的な過食、リストカットなどの自傷行為、衝動買いなどの浪費、覚せい剤などの薬物乱用、衝動的な性行為などがみられる。
  5. 自殺しようとしたり、自傷行為をするそぶりや脅しを何度も繰り返す。
  6. 感情が極めて不安定。
  7. 絶えず空虚感にかられている。
  8. 不適切で激しい怒りをもち、コントロールできなくなって、物を壊したり、人を殴ったりといった激しい行動をおこす。
  9. ストレスによって妄想や解離症状が生じることがある。



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